誰にも語れない後継者の苦悩・悩み~私の入社初日~


誰にも語れない後継者の苦悩・悩み~私の入社初日~

皆さん、こんにちは。

二代目・三代目経営者、
事業承継を応援する
株式会社SANNET・コーチ 香西(こうざい) 拓也です。

初夏を感じる好天に恵まれているここ数日。
気持ちも自然と前向きになりますね♪

今日、4月2日は新社会人の皆様は、人生の新たな門出。
「入社式」を迎えられている方も多いのではないでしょうか。

新たな門出、おめでとうございます。

私自身の入社の日

私は、過去これまで「2度」、新入社の日を迎えた経験があります。

1回目は、大学を卒業し、新卒サラリーマンとして迎えた入社の日。

そして、2回目は、父の会社に入社をした日です。

衝撃のはじまり

その一日は今も忘れられない非常にインパクトが強く、強烈に脳裏に焼き付いています。

サラリーマン生活に終止符を打ち、父の会社に出社する最初の日。

入社初日と言うのは、緊張するものです。

私も緊張していたのだと思います。
早めに目が覚め、身支度を整え、当時は父・母と同居をしていたので、一緒に出発し、会社へ向かうものと考えていました。

しかし、いつになっても出かける素振りも見えない父が
父;「そろそろ行けよ!間に合わんぞ!!」

私;「えっ?」

意味が分かりません・・・

そうです。

ひとりで先に行けと言うのです。

私は心の中で、
「今日は初日やし。朝礼で紹介されて、軽く挨拶して・・・」なんて風に思っていたのですが、現実は違いました。

不安な気持ちを抱え、仕方なく、慌てて準備し、出発をしました。

どうにか始業のAM8:30には間に合いました。

会社の前に着き、一層緊張が高まります。
一息深呼吸し、ドアを開け、中に入りました。

そこには、驚きの現実がありました。

部屋の電気が何の理由からか消され、室内は朝から薄暗く、何とも言えない重たい空気が漂っていました。

「とは言え、皆温かく迎え入れてくれるよ!!」

しかし、そんなに甘いものではありません。

社内には3名の社員さんが居たのですが、誰も私に声も掛けてくれない。

「うそぉ~~!」

と同時に、「違う、違う、こんなんじゃない」
「僕の描いていたイメージと違う!!」

衝撃はそれだけではありませんでした。

更に更に、驚いたのは、始業時間を過ぎたにも関わらず1名の男性社員が朝ごはんらしきパンを取り出し、食べだす始末。

「こんなん会社ちゃうやん!!」
「僕はここでやっていくん?!」
そう叫んでいました。

後継者の苦悩・悩み TOP3

私の入社初日はそんな衝撃的な事実からスタートをしたわけですが、理想と現実のギャップと表現すれば、いわゆる「後継者あるある」となります。

ここからは、後継者の方であれば誰でも感じるであろう苦悩・悩みについて特に、多い、「あるある」的な苦悩・悩みのTOP3についてご紹介していきます。
 
 

社員や取引先がついて来てくれるのか?

後継者の方が、親の会社に入ってまず一番に感じる苦悩・悩みと言うと社員との関係ではないでしょうか?

経営の3大要素「ヒト」・「モノ」・「カネ」どれも大事なのは周知の事実ですが、その中でも、「ヒト(人)」は一番最初に列挙されている通り、最重要だと言うことです。

私自身も、入社後、実務面では営業を担当していましたが、現場工事を担当していた古株の技術者から「気に入らなければ、いつでも職場放棄しますよ!」と言われたことがありました。

すなわち、自分達がいなければ仕事が完遂出来ないだろ・・・
自分達の存在を誇示しようとしたり、存在を認めて欲しかったりするからこその行動だと感じます。

また、取引先は取引先で社員ほど言葉にこそ表しませんが、
次の代を担う後継者のお手並み拝見と言わんばかりに、
じっと様子を見ています。

そういった意味で、後継者が感じる苦悩・悩みとして
社員や取引先の人間関係やコミュニケーションと言った「人」に関する不安は尽きることがありません。

事業そのものへの想い・情熱を感じない

創業者と後継者の決定的な違いは何か?と言われれば、それは、事業への想い・情熱。

こだわりと表現できるかもしれません。

創業者にとってはある意味身近な存在であり、「当たり前」です。
好き嫌いを問わず、やろうと思った自然な成り行きでそうなったにせよ、自分が興した事業ですから、自然な形で事業に対しては
想いも情熱も湧いてきます。

そして、アイデアも豊富に湧いてきます。

しかし、幸か不幸か、後継者はそのプロセスを踏まずして会社に入社し、それなりのポジションを与えられ、最後はバトンを受けとり経営の舵取りをしていくことになります。

その時に、親の会社が生業としてきた事業に想いや情熱、少し表現を変えると「やりがい」を感じることが出来ないことがあるこおとは不思議なこととは言い難いと感じます。

ただ、後継者(次期社長)として会社を継いでいくのであれば、情熱ややりがいはなくてもいいので、ご自身なりの経営をする理由だけは見つけておくことは必要です。

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とにかく自分に自信が持てない

先日、ある2代目社長から「個別相談会」に申し込みを頂き、経営・チームづくりに関する相談をうけました。

冒頭、その社長からは経営のバトンを2年半前に受け継いだのですが、「これでいいのか?」「自分はちゃんと出来ているのか?自信がないのです」と自分自身に自信が持てない(経営者、後継者として力量不足)ことを吐露されました。
そして、この種の悩みは、誰にも語れないことが多く、孤独感を感じる原因にもなります。

後継者の悩みとして共通するお悩みとしてあるのが、弱音や愚痴、やりたい(改革したいけど進められない)ことも含めた本音を話せる場がないことです。

上述の2代目社長との相談会はそこから始まり、そして、
「今、どんなことを取り組まれているのか?」
「どんなことを大事にしようとしているのか?」
「なぜ、その取り組みをしているのか?」を一つ一つ丁寧にお訊ねしながら、ご自身が感じている自信が持てない理由について問いかけをしながら、一緒に考えました。

このように本音を話す機会がない方にとって、第三者から問いかけを受け、自分の中にある答えを言葉にして語る行為はとても大事な行為となります。

更に、言葉として表面させ、つなぎ合わせたり、捨て去ったりすることで、改めて自分が迷っていたこと、悩んでいたことの整理がされ、自分の考えとして自分に取り込み、行動や実践をすることを繰り返すことで、悩みや葛藤が少しづつ消え去り、逆に、自信へと変わっていくこととにあるのです。

話しを今回の2代目社長との事に戻します。
社長との対話を進めるうちにこれまで社長ご自身が取り組まれていること(行動/実践されていること)がたくさん出てきたのです。

結果、
翌日その2代目社長から
「話をしていると、自分の知らないうちに色々やっていることに気付かせて頂きました。少し自信が持てました。本当にありがとうございます。」ととても嬉しいご連絡を頂きました。

誰でも最初は自信が持てないものではないでしょうか?
人は、経験のないことや自分にとって大きいと感じる事柄に挑んで行く時には、恐れや迷いから、自信が持てずになかなかその意歩を踏み出すには勇気が必要です。そして、その間で、悩み、焦り、葛藤し、とても苦労をします。

先代から経営のバトンを受け取り後継経営者(後継者)として経営を進めていく場合においては、尚更、自分のやっていることに判断・意思決定に迷い、自信が持てないということはごく自然なことだと思います。

後継者の苦悩・悩み 解決法

良い悪いではなく、現実を受け入れる

私の入社初日は、何度疑って見ても、目の前で起こっている事が事実であり、現実でした。

仮にも、社員数1,000名超を抱える企業で仕事をしてきた私にとっては信じがたく、受け入れがたい現実が目の前で起こっていたのでした。

後継者の方が、親の営む会社に戻られて来た時よくある「描いてきた理想のイメージと現実とのギャップ」。
しかも、企業規模など含め、双方に差や違い大きくあればあるほど、そのギャップの溝も大きく、そのことに苦しむ後継者は意外と少なくないと思います。

その苦悩や悩みとして先に紹介した3つの苦悩・悩みは後継者の方であれば、どれか1つ経験をされたことがあるのではないでしょうか?

私自身も、この入社初日の光景はいまだに色あせることなく、記憶に鮮明に焼き付いています。

そして、
誰しもが自分がこれまで過ごしてきた世界が「正しい」「当たり前」と思ってしまいます。

この経験を通じて私は後継者の方には、
「決して朱に交わるのではなく、ただ現実今起きている事実を事実として受け入れていく」。
その上で、どういった背景(=歴史)があってそのようになっているのか?

“好奇心”を使って、様子や状況を掴んでいくことをやってみて頂きたいと思います。

まずは、そこからではないでしょうか?

焦る気持ちもあると思います。
ちょっと裏切られた気持ちもあるのではないでしょうか?!
私は正直ありました。

後継者の道のりは長い道のりです。
少々遠回りしてでも、1つ1つの本質に目をむけることの方が大事なような気がします。

2代目経営者、後継者には、その立場になったものにしか味わうことの無い苦悩や葛藤、悩みがあります。
誰にも言えない本音、そっとお聴きします。

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◆親族承継する後継者の方へ伝えたいこと・考えて欲しいこと!
 事業承継専門ラジオ番組 LOCOMA JAPAN㈱ 金城未依さんがゲスト♪(放送音源あり)
 http://sannet.me/2019/02/01/tsunagariradio20190201/
 
 
◆事業後継者向けコーチング/株式会社SANNET
 http://sannet.me/service/jigyou-keishou/

今日も最後までお読み下さり、ありがとうございました。