利益なんて上げる必要ないとずっと思っていました【経営の本質、後継者の悩み】


利益(収益)なんて上げる必要はないとずっと思っていました

このメッセージをどのように受け止められますか?
 
 
創業64年、従業員数40名を抱える、あるものづくり企業(製造業)の後継者(3代目経営者候補)の方との「経営企画ミーティング(後継者コーチング)」での、ふりかえり(チェックアウト)の際におっしゃった言葉です。

何を目的に経営をするのか?

いろいろな視点から
いろいろな考えや感想があると思います。
 
 
私個人の感想は、後継者と言う立場・視点から言えば一定数以上の後継者の方の言えない本音として共感や同感があるのではないか・・・と言うのが率直な感想です。
 
 
いわゆる「後継者あるある」
 
 
さらに加えて、この上記のメッセージを聞いた側の視点から「問い」として受け取るならば経営者として自分なりの答えを持っておかなければいけない、なかなか深いメッセージだなぁと言う感想もあります。
 
 
それは、
「企業は何のために利益(収益)を上げるのか?」
と言う問いです。
 
 
自分のため
家族のため
社員のため
取引先や地域のため
会社を続けていくため・・・
 
 
いろいろな考えがありますし、他にもまだまだありそうですね。
 
 
この問いは、ある意味経営の本質って言いますか、「自社が何のために存在するのか?」「何を目的に経営をするのか?」と言う問いにもつながります。

先ほど「後継者あるある」と書いたのは、後継者は、先代から会社の事業内容や取り扱う商品・サービスをそのまま引き継ぐこととなるので、後継者の意思が反映されないため、創業者ほど事業や商品・サービスに愛着や想いが入りづらくなり、「何のために経営するのか?」とか「何でその事業や商品・サービスが世の中に必要なのか?」と言った社会的な視点が盲点になることがあるのではないかと思います。

そして、このことは、私も後継者時代にとても苦しみ、悩んでいた経験がありますし、私が接してきた後継者の方の中にも、こうしことについて悩み、葛藤されている方に出会ったことがあります。

「利益(収益)なんて上げる必要はないとずっと思っていました。」とおっしゃった後継者(3代目経営者候補)と自社の長期ビジョンの策定をテーマにコーチングを実施していたのですが、5年後や10年後の自社の様子を伺ってもなかなか答えがまとまらず、社内や社員のことをお聞きしても「まあまあ良い環境で仕事してもらっているから・・・」とビジョンづくりも難航していました。

後継者の願望や志・夢と会社の事業内容がクロスする点を見つける

1つ1つこちらから質問を投げかけを重ねる中で、ポツリポツリと内面に持っていたことが言葉として表面化され始め、ある視点から質問を投げることにより大きく状況が変わりました。

それは・・・

ご自身が策定した経営理念に立ち返って頂いた瞬間です。

以前に私のブログ(ブログ記事;悩みを抱える事業後継者に聞いて頂きたいこと)でも書いた事なのですが、後継者の方は、ご自身のやりたいこと(願望や志、夢)と親の事業内容がクロスする点を見つけ、それを経営理念として成文化するとよりご自身が何のために経営をするのか?と言う経営の本質に自分なりの答えが見いだせ、経営がやりやすくなると私は経験上感じています。

経営の目的は、売り上げや利益をあげることではない

ご自身が策定した経営理念に立ち返った瞬間、この後継者(3代目経営者候補)の方からは次々とビジョンとしての自社のありたい姿が語られ、目も輝き出し、笑顔が見えるようになりました。

そして、冒頭に書かせて頂いた「利益(収益)なんて上げる必要はないとずっと思っていました。」「もっと〇〇(自社の商品名)を売らなきゃいけないですね!」とまでおっしゃられたのです。

こうして見てみると、商品やサービスを売らなきゃ、会社を維持しなきゃ、頑張らないといけないと言う風に売り上げや利益を上げることを目的としてしまうと本当に息苦しく、経営がしんどいものとなってしまいます。

会社を継続・発展させるためにはある程度必要なことかもしれませんが、私はこのように思います。

利益は、経営理念や志・夢の追求や達成のために必要な活動源泉
と定義します。

そして、売上や利益をあげることは目標の1つであり、経営の目的として、お客様の喜びの数を増やすこと。または、より良い社会づくりへの貢献と定めることとしたいと思います。

その目的と経営者の願望や志・夢を基に、そのことを経営理念として成文化する。
さらに、加えて経営理念を土台にしてビジョンを描くことをお勧め致します。特に、先代から事業を引き継がれた後継者の皆様には、お勧めをしたいと思います。

幸せの追求

後継者は、本当な重責を担った役割の方だと尊敬の念が尽きません。

私は、後継者の方もその役割の前に一人の人として思いっきり人生を楽しんで生ききって頂きたいと心から願っています。

私も、後継者を経験し、私なりにたくさん悩み、葛藤しました。
その経験上から、社会の一員として「みんな自由に幸せに生きて欲しい」「人は幸せに生きるためにこの世に存在している」と考え、ひとり一人が幸せに生きること(幸せの追求)が私のテーマです。

合い言葉は、
みんながよくなる
みんなでよくなる

です。

後継者の皆さんにも是非そうあって頂きたいと思います。
ブログ記事;コーチングを仕事にしてるけど、コーチングなんてどうでもいいんです

相談・問合せについて

先代から事業を引き継いだが、自分自身がやりたいことや志・夢について悩んでいる、葛藤をお持ちの後継者、2代目経営者・3代目経営者の皆様方で、自分にどんな思いがあるのか?考えや想いの整理をしてみたいとお考えの方がいっらしゃいましたら、お試しの体験の機会をご用意していますので、お気軽にご相談・お問合せ下さい。

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最後までお読み頂きまして、ありがとうございました。