リーダーはどこへ向かうのかを決める人
自信が持てないリーダーの皆様へ
”決める”って、勇気が要ります。
それが、苦手なことだったり、今まで何となくスルーしてきたようなことだったりすることに対して”挑戦する”・”やってみよう”って決める時は、出来るかな?大丈夫かな?と不安な気持ちが出てきて、なかなかその一声がだせないものです。
ご兄弟で経営をされているものづくり(製造業)企業様の社長(兄)と専務(弟)と私の3人で毎月1回、経営方針達成のためのミーティングを開催していています。
今回は、営業の統括である専務の言動からチーム(組織)のリーダーとしての大切な要素を感じることが出来ましたので、素晴らしい実例として開示可能な範囲となりますが、ご一緒に学んでいきたいと思います。
下半期の受注が薄い状況に対してどんな手を打つか?と言うことをテーマに、ミーティングは始まりました。
実は、導入以前の個別相談会のヒアリングで社長から、会社の本質的な課題は、営業の体制が「待ち(受け身)」であることで、売り上げの達成に向けて営業部全体で策を講じて積み上げ式で受注を上げていく取り組みが無いことが指摘されていました。
そして、今回のミーティングテーマとして、営業の統括者である専務から今日のテーマとして「下半期の営業活動」をどういう風にすれば良いのかが挙げられたことは、それだけでも意味深いものがあると私個人としては感じていました。
「上半期の棚卸し」
「下半期の方針(候補)」
「一番避けたいシナリオ」
「一番叶えたいシナリオ」
について意見・アイデア出しを行い、
打ち出す次なる一手として、いろいろな選択肢が出されました。
ファシリテーターの私としては、お二人がどの選択肢を選ばれるかについては重要視せず、経営陣・会社にとっての本質的な課題の解決と方針の達成のために必要なことを「問い」として出し、客観的に状況を判断できる状態を引き出していく関わりをしました。。
そして、今回決めたのは「予算必達」と言う方針の選択。
営業統括の専務にとっては大きな決断です。
専務ご自身も苦笑いを浮かべながら「今までだったら、他の同業も調子悪そうだから、しょうがないね」と笑ってごまかしてましたと仰られました。
【事例から学ぶ】リーダーの要素
チーム(組織)のリーダーである皆様に、今回大きな意志決定をされた専務の姿からお伝えしたい点は、主に3つです。
◆常に意識(考え方・視点、捉え方など)を限定的にせず、柔軟でいること
◆苦手なこと/避けていたことに取り組んでみるポジティブな姿勢や勇気
◆協働する(他者の力を借りる)こと
⇒今回は三人で協働しながら良くなるために「出来そうな」具体的な行動レベルのアイデアが出ました。そして、このことも、大きな意志決定を下される後押し(不安の払拭)にもなったのではないかと感じています。
人は変わりたい、変わらなきゃいけないと分かりつつ、変わることに恐れを持ち、なかなか変われないのも事実です。
また、一人で何とかするにも、出来ることと出来ない事もあり、第三者に聴いてもらったり、意見やアイデアをもらったりすることで新たな視点が生まれます。また、問いや質問と言う形で関わってもらうことで頭の中にぼんやりと、雑然と散見していた考えが整理され、進む方向や行動の決断に大いに役立ちます。
リーダーは決める人
リーダーは行く先の方向を決める人です。
「北に向かう」
「南にも向かう」
「西に行くことも必要」
「東にも」
となると、メンバーはぐるぐるひたすら回るだけで、どうしていいのか迷ってしまいます。
迷ったチーム(組織)はどうなるかというと成果を得られず、未達となってしまいます。
結果、「俺たちは、ダメなチーム」と言う意識が生まれ、自信が育たず、互いを非難し合い、信頼関係を築くことが出来ません。
チーム(組織)として一番避けたいことは未達の結果よりも、むしろダメと言う意識が風土になり、自信もなく、信頼関係のないチーム(組織)になることです。
リーダーは結果が間違っていてもいいので、まずは進む方向を「決める」
私たちは「北へ進む」
この決断が、チーム(組織)に安心感や落ち着き、役割やアイデアをもたらす根源となるのです。