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適応と順応の違いとは?大きく変化する環境下で生き残るために必要な考え方
似たような字体であり、似通ったニュアンスを持つ「適応」と「順応」。
その意味や違い、そして、時代が大きく変化する環境下において適応するのか?順応するのか?生き残っていくために必要な考え方について考察をしてみたいと思います。
こんにちは。
チーム力が仕事の成果に影響する中小企業の
チームの育成、人材の育成
チームづくりコーチ 香西 拓也(こうざい 拓也)です。
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適応と順応の違いとは?意味について
適応と順応、それぞれの言葉の意味を確認します。
「適応」とは、
1 その場の状態・条件などによくあてはまること。「事態に適応した処置」「能力に適応した教育」
2 生物が環境に応じて形態や生理的な性質、習性などを長年月の間に適するように変化させる現象。
3 人間が、外部の環境に適するように行動や意識を変えていくこと。「適応障害」「過剰適応」
とあります。一方、
「順応」とは、
1 環境や境遇の変化に従って性質や行動がそれに合うように変わること。「新しい生活に順応する」「順応性」
2 外界からの刺激に対して、感覚器官が慣れていくこと。「明暗順応」
*「goo辞書」より引用
適応と順応の違いとは?言葉の意味から違いを明らかにする
「適応」も「順応」も、上記よりそれぞれの言葉の意味として聴き取れることとしてはどちらも、環境や境遇、その場の状態や条件に合わせて考え方や行動などが変わると言う点では共通している点では同じです。
では、適応、順応ともに、漢字の字体だけが異なるだけでどちらも同じ意味を成す言葉なのでしょうか?
いかがお感じになるでしょうか?
私は、「適応」と「順応」、この2つの言葉は、ニュアンスこそ同じですが、似た非なる言葉のように感じ取っています。
適応は、その意味の解説のところで、「~~長年月の間に適するように変化させる現象」「~~行動や意識を変えていくこと」とあり、しかも、その前段として「適するように」と言う言葉が添えられていることからも分かる通り、自らの意思で自らの状態を変えていくと言う意味合いがあります。
それに対して、
順応は、「環境や境遇の変化に従って~~」や「外界からの刺激に対して~~」とあるように、外からの刺激や変化を受けて変化をしていくと言う点においては、どことなく受け身的に変化をしていくと言うニュアンスがあります。
適応と順応。
同じニュアンスを持ちながらも、「適応」は自らの意思や意識で外部に適するように変化していく様であるのに対し、外部からの刺激や変化と言った外からの影響で受け身的に変化をしていく意味合いを持つ「順応」、それぞれが持つ言葉の意味の違いが明らかになってきました。
大きく変化する環境下で生き残るために必要な考え方~順応編~
順応は時にパフォーマンスを劣化させる
順応には、外からの刺激や変化を受けて変化をしていく受け身的な意味合いがある訳ですが、自らの意思や考えではなく、外部や他者を主としてあたかもそれに従う、従属的にその身を変化させることですので、良く言えば「柔軟」であり、「衝突を起こさず合わせていく力強さ」と言うようなエネルギー感があり、悪く表現すれば「根っこがない」と言うか「主体性」がないと言えるのかもしれません。
集団やどこかの一社会において生き残っていくためには、時には、こうした流されながらうまく状況に合わせてその場を乗り越えていくと言うことも必要なのではないかと思います。
ただ、気を付けておきたい点としては、流されて変化した結果、本意ではない状態に変化することも想定される故に、パフォーマンスを劣化させてしまうことがある点は留意しておいた方が良いではないかと感じます。
大きく変化する環境下で生き残るために必要な考え方~適応編~
自分のパフォーマンスをポジティブに変えていける
野球やサッカーのアスリートたちの試合後の会見で「試合の流れの中で、上手く適応できた!」と言った発言を聞くことがあります。
これは、選手が1つの試合の中で自ら相手や試合の流れ(=環境)を読み、自らを変化させて勝利を勝ち取る行為そのものです。
また、この地球上にはこれまで5回の大きな大絶滅時代があったといわれていてその都度種の多くが絶滅していっています。
例えば、四度目の大量絶滅は、中生代三畳紀(2億5000万年から2億1000万年前)にあったとされているのですが、この時期には、巨大な超大陸パンゲアが分裂し、地中から大量に吐き出された二酸化炭素とメタンによって、気温の上昇と酸素濃度の著しい低下を引き起こしました。
そして、これにより、それまで活躍していた種の79パーセントが絶滅をしたとされている中、低酸素環境に対する”適応”する能力を身につけた爬虫類が繁栄をし、それが恐竜へと進化を遂げていったのです。
適応は外部の変化に対し、自らの意志や意識、考えで変化し、生き乗っていく「主体性」や「揺るぎない、ぶれることのない力強さ」であり、それは内から湧き上がってくることを想起させるエネルギッシュさに溢れています。
適応と順応の共通点
適応と順応の共通点
適応と順応の違いをここまでは見てきました。
そして、それぞれに持つ力強さ、良さも掴めてきました。
では、適応と順応に共通点があるとどんなことでしょうか。
それは「時間」です。
自ら変化する適応も外部からの刺激で変化する順応も形や姿を変えるために一定の時間が必要と言う事です。
大きく変化する環境下で生き残るチームづくり
適応と順応を活かしてチームづくりを行う
大きく変化をしようとする環境下で、チームが生き残るためにチームづくりをする際に、適用か?順応か?どちらに舵を切ればよいのか?
そのことを考える上で最も大事なことはと言えば、結果、どんな風になっていることが良いのか?
誰しも「いい方向」に変わっていきたいと思っているはずです。それは生き残っていきたいということですね。
であるならば、順応の側面であれ、適応であれ、自分達の今の状態を常に把握しておくことが重要になります。
そして、最も大事なことは、目的と目標を明確にして、チームメンバー全員がそのことを同じニュアンスで理解する必要があります。要するに、時間が必要だということです。
企業の場合だと、目的は経営理念/ミッション」として何のために私たちは存在するのか?存在意義を明らかにすることとなりますし、目標はビジョンとして5年・3年・・・・とブレイクダウンしながら、今月、今週、今日することとして計画にまとめていくことになります。そして、目的と目標に向けてバリューとして価値観や行動規範として成文化し、自分達が今それに対して、どんな位置に居るのか?それは正しいのかどうか?が話し合える状態にしておくこととなります。
その話し合いの時に判断する材料として「適応」していくことを選ぶのか?「順応」していくことを選ぶのか?があるのだと感じます。
チームが変わるには、時間を要します。
社長やリーダーの皆さまが思っている以上に、組織(チーム)が変わるにはかなりの時間がかかります。
刻一刻と変化する外的環境に適応するにも、順応するにも、早すぎるに越したことはないと言うことです。
最後に
適応と順応の違いとは?まとめ
「適応」「順応」についてここまで書いてきましたが、今日ここでご紹介した意味合いも一つの見解です。
チームづくりで大事なことは言葉や事柄の持つ1つ1つが持つニュアンス(=意味合い)をチーム内で共通にすることです。
共通言語化すると言うことです。
このプロセスがないまま目的や目標に進もうとするが故にもめ事や一致感が持てないまま事が進んでいるケースは多くの場合で起っていることです。
今日のこのテーマを活用頂いて、チーム内でメンバーの方々と対話を持つこともお勧めいたします。
大きな変化の環境下、適応し、順応し、皆さんのチームがより発展していかれますように。
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今日も最後までお読み下さりまして、
ありがとうございました。