身体は覚えている


身体は覚えている

皆さん、こんにちは。

30代次世代経営者(若手経営者)
40代二代目・三代目経営者
50代後継者育成を考える経営者を応援する
株式会社SANNET・コーチ 香西(こうざい) 拓也です。

高校1年生、迎えた初めての夏休み前のある夜。

父から私に、
「明日から夏休みやな!」
「バイト先見つけておいたから、明日からそこに行って来い!」

私:「えぇ~~(汗)」

イラスト(冷や汗 男の子)

訳がわかりません。

よくよく聞くと、知り合いの通信工事をされている職人さんの元で休みの間、
修行をすると言う事で、頼んで来たらしいのですが、こちらからすると、
頼みもしていないのに、気が乗りません。

それでも、有無を言わせず、自分が使っている道具鞄を持ち出し、
電話ケーブルを取り出し、
「よし!これからちょっと練習しとこ」とケーブル捌き方の練習まで始める始末。

私も反発すればいいものを、気が小さいせいか、大した反抗もせず、
見よう見まねで練習をし始めました。

電話通信ケーブルと言うのは、基本の最小単位が、1
対(2本の細い導線)が2対にまとめられている2Pケーブル(4本の細い導線)
と言うのがあります。

<こんな感じです>
イラスト(電話ケーブル)

その導線の1本1本に色の付いた絶縁体と呼ばれるポリエチレン製の
外皮に覆われているのです。

そして、色に順番付けがされているのです。
これは、全国共通の順番です。
なので、この色の順番を覚えることが電話通信工事者の「いろはのい」にあたり、
これを覚えていれば全国どこでも電話通信工事の仕事が出来ると言う事になります。

<色の順番>
「青、白、茶、黒、黄、緑、赤、紫」
この色の組み合わせで、10対、20対・・・・100対などの多対ケーブルも
このことをベースに構成されています。

翌日にバイトが控えた前日のその夜にも、父からこのことを教わりました。

父からは、
「ケーブルの被服剥き、多少下手でも最初はしゃあない(=仕方がない)、
その代りな、「あお、しろ、ちゃ、くろ、き、みど、あか、むら、これだけは絶対覚えとけ」
「ほな、なんとでも、なる!」

何とも職人肌と言いますか、アバウトと言いますか・・・(笑)

メモ帳に
「あお、しろ、ちゃ、くろ、き、みど、あか、むら」とだけ書いて、
何度も繰り返し、繰り返し、空で言えるまで、何度も何度もその夜練習しました。

このことは、その後、正式に父の会社に入社した後も、
助けられることになりました。

ポジションとしては、営業と言う立ち位置だったのですが、なにせ中小企業です、
工事の補佐やちょっとした修理対応は営業と言えでもやるのです。

また、経験豊富な職人さんからすると、ある日突然「社長の息子」が会社に入ってきて、
ちょっと偉そうなことを立場に物を言わせて指示してくる訳ですから、面白くないのですね。

最初は煙たがられました。

そんな職人さんたちに受け入れてもらうためには、こちらから、
向こうの立場に飛び込んでいくしかなく、そういった時に、
先ほどの電話ケーブルの色順(あお・しろ・ちゃ・くろ・き・みど・あか・むら)を
覚えていることで、
コイツ、ちょっとはヤル気あるんや!」と思ってもらえたりするのですね。

そうやって現場に立ち、一緒に現場をこなし、仕事のやり方、
現場の見方を教えて貰ったりしながら、少しづつ信頼関係を創り、
10年くらい経った頃くらいから、やっと工事の方法ややり方などをこちらから注文しても、
聴いてもらえるようになってきました。

2代目・3代目、事業後継者って、見られているんですよね。
「何を?」

それは、「あり方」です。

もうちょっと言い方変えると「姿勢」でしょうか!

自分自身との向き合い方
社員への接し方
お客様との接し方
取引先
そして、志事への「姿勢」もです。

やり方に「いい・悪い」、「正しい・間違い」はないと思います。
しかし、何かご自身なりのやり方で乗り越えなくてはいけない壁と言うか、
課せられた宿命なのだと思います。

その時に、「芸は身を助ける」ではありませんが、
私の覚えた電話ケーブルの「色番」のように、苦労して自分のカラダに身に付けたことって
巡り巡って自分を助けてくれることになるような気がしています。

もし今、社内の方々との関係で苦労している、悩んでいる方がいらっしゃるのでしたら、
どんな些細な事でもいいので、
・頑張って取り組んだこと
・身に付けて身体で覚えていること
を整理してみて、「苦労している事」や「悩んでいる事(人)」と
重ね合せてみてはいかがでしょうか?

今日も最後までお読み下さり、ありがとうございました。

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