リーダーシップ開発(ある医療チームの主任の事例より) 前半


リーダーシップ開発(ある医療チームの主任の事例より) 前半

皆さん、こんにちは。
事業後継者&20~40代若手中小企業経営者を応援する、株式会社SANNET・
戦略コーチ 香西(こうざい) 拓也です。

5月も残り数日ですね。
気が付けば今年も半分。
トラック競技で例えると、第2コーナーを回って、バックストレートに差し掛かろうとしているあたりですね。

皆さんは、ここまでどんな2017年を過ごしてこられたのでしょうか?

今回のテーマ

テーマ;「成人の発達理論からのリーダーシップ」についてです。

そして、ある医療チームのリーダーの事例を通して考察してみたいと思います。

人物像

主人公は、30代看護師キャリア20年の主任(女性、Aさん)
彼女は毎日現場の前線で看護の仕事にも、そして、主任と言う立場から後輩・部下の指導、管理業務まで、自身の勤務時間を超えても院内に残り黙々と仕事をこなしています。
その働きぶりは、正確、忠実。
知識/経験も豊富なのです。

正に非の打ちどころのないリーダーです。

職場での、部下/後輩からの見方

しかし、そんなAさん、部下や後輩からは、
「こわい」
「一緒に仕事すると緊張する」
「一緒に仕事したくない、楽しくない」
と評判はイマイチ。

キャリアの経験も豊富で、正確・忠実に仕事をしているのに、何故?なのでしょうか?

部下や後輩の方々の印象を物語る1つのエピソードがあります。
あるベテラン看護師・Mさんとペアで仕事に当たっていた時の事。

ある看護ケア行為に対して、決められた仕様・手順とは少し異なる手順をしたMさんの行為を見て、すぐさま「Mさん、それ、インシデントですよ!」

インシデントとは、看護用語で、「実際には事故につながらなかったが、可能性として、重大な事故になっていたかもしれない事態のことをさし、いわゆるヒヤリ・ハット」のことです。

顔の表情、言葉づかい、声のトーン、姿勢が冷静沈着。
部下や後輩の方々からは、その立ち居振る舞いにも「こわさ」「人を寄せ付けがたくさせる」Aさんの振る舞いに馴染めないと言う声が圧倒的でした。

皆さんの周りにも一人や二人居たりしませんか?

そして、このAさん。
何か悪い事してますかね・・・?

していないですよね。
むしろ、大きな事故になりかねない状況を防いだ訳です。
でも、部下や後輩からは慕われない。むしろ、「こわい」と言われてしまう。

実は、この医療チームが抱えている問題はリーダー層と一般職層との間に大きな溝があることなのです。

では、このAさんの「リーダーシップ」について推察してみたいと思います。

成人の意識の発達モデルからの考察

ハーバート大学・ロバート・キーガン博士の「成人の意識の発達モデル」に当てはめてみると、第3段階の「リアクティブ(社会適応)」の領域に意識の段階があるのではないかと感じます。

この「リアクティブ(社会適応)」の段階の特徴は、
一言で言い表すと「自己制限」の段階です。
つまり、主体が外にあり、自己がそれに管理/掌握されている状態です。

その観点から伺える主任「A」さんは、自己防衛の中に生きているのではないかと思うのです。
自己防衛って、どんな特徴なのでしょうか?
それは、「自分が存在するためには〇〇でなければならない」と言う思い込みを持っています。
その〇〇とは、
・私が正しい。相手が間違っている。
・他者より優れている。
などで、そうあることで自分の存在感を感じ、安心感を得ているのです。

この内面的な思い込み/スタンスが、私たちの行動や思考の癖として表れ、効果的なリーダーシップの発揮に制限的に働くと言われています。

この内面的な思い込みやスタンスって、どうしようもないのでしょうか?

いいえ。
安心下さい。

現代の「発達理論」の考え方として、体の成長は20代前半で止まってしまいますが、成人の意識は一生発達し続けると言われていて、私たちは、このリアクティブ側面の中にも、成長のためのリソース=ギフト(宝物)がたくさん眠っていると観ているのです。

では、このAさんには、一体どんなギフトが眠っているのでしょうか?

と、少し長くなりましたので、今日は一旦ここまでにして、続きは明日お届けしたいと思います。
明日も、お楽しみに下さい。
いつもお読み頂き、ありがとうございます。

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